2023/2/2
医薬品単価の交渉は、特定の品目で大きく交渉できても、総額で薬価差益が減少すれば意味がありません。また、一時的に大きな成果を出せても、翌年以降、その揺り戻しがあれば意味がありません。そのため、お互いに妥協・協力できるように進める必要があります。
交渉というと、自分たちの要求をいかに相手に呑ませるかというイメージがあります。しかし、どのような交渉もまずは「自分たちを知る」ことが最初のステップです。
卸業者ごとに、年間購入している医薬品の薬価・納入価・薬価差の総額を把握します。
医薬品と一言でいっても、薬価差益の出やすいものとそうでないものがあるので、次の7種類に分類して把握することをお勧めしています。
①新薬創出加算②長期収載品③後発品④麻薬⑤血液製剤⑥オーファン⑦その他一般薬品などです。この作業は難しいことではなく、多くの病院で毎年データを確認されているのではないかと思います。
次のステップは、「相手のことを知る」です。卸業者の立場になれば、交渉のポイントは自ず目利きができるものです。端的にいうと、「大きな利益が出る優良顧客」である必要はありませんが、「人件費も出ないような担当したくない顧客」でもいけないということです。
実際の交渉は、薬価改定が行われた年に次回の薬価改定があるまでの価格を妥結します。年1回交渉をしていれば、7月から9月ごろがめどになります。年2回の交渉をしていれば、7月、8月に行い、下期の交渉を1、2月にしているのではないでしょうか。
卸業者ごとに目標値を設定する
1社15~30分程度、2~3回交渉する
このとき、院長・副院長・理事などに同席してもらうと院内全体で取り組んでいる姿勢を感じてもらえ、結果も明らかに変わります。総価交渉が実務的だと思いますが、単品単価交渉が前提にはなるので、単価の高い薬品や数量の多い薬品については、個別に話題に出すのが一般的です。
繰り返しになりますが、心理戦ではないので、交渉テクニックや他社への切り替えなどを常に交渉材料にすることはお勧めできません。目標をクリアできなかったとしても、次回の交渉に引き継ぐなどして、ずるずると引きずらないのをお勧めします。
医薬品単価の交渉は、納入課の定期的な打ち合わせという意味合いが強いです。きちんとマネジメントすることが医薬品単価の適正化の本質だと考えます。
※本記事は、雑誌「病院経営羅針盤 (2022年4月1日号~2023年3月1日号)」に掲載されたものです。