保守費用の適正化保守委託費はどうしても高額な負担となることから、不具合が生じないときは、なんとかこれを適正化したいと考えるものです。例えば、次のことが考えられます。稼働が少なく台数だけ多い機器など、保守費用だけ負担しているものはないか。購入の際は一生懸命交渉するが、購入後の保守費用は言われるがままになっていないか。一度購入すれば保守委託は競合先がない。購入の段階で保守まで含めて交渉しているか。定価のように受け入れてしまうが、実は言い値ということはないか。具体的な着眼点としては、まずは契約内容を確認します。その上で実際の修理の履歴を踏まえて、使用頻度に応じた仕様となっているかをチェックしていきます。特に人件費などは、派遣・夜間対応・オンライン管理などの体制をチェックしていきます。保守委託費を見直すタイミング保守委託費を見直すタイミングは、購入時や更新時しかありません。そして一度購入すると、競合先がないことから、交渉しないまま契約となってしまう可能性があります。したがって、購入時に保守委託まで含めて競合先と比較し、価格交渉するしかありません。このとき、リース(保守委託はリース会社が行う場合)との比較や、保守委託ではなく万一に備えて保険に入る方法との比較も必要になるでしょう。さらに重要なことは、コストを下げる以上に、どれだけの収益がもたらされるかということです。全く稼働しない医療機器にかかる安易な保守費用よりも、フル稼働している医療機器にかかる高額な保守費用のほうが、はるかに価値があります。問題の本質は、コスト適正化ではなく、医療への貢献と稼働率です。したがって、購入時には交渉を進める一方で、院内では稼働率についてきちんと合意形成されなければなりません。ドクターや放射線科などから稟議書が上げられるときに、重要なのは購入金額以上に、稼働率や採算にあります。シミュレーションが記載できるように、稟議書のひな型も変えることになります。さらに購入後、実際にどう収益に貢献しているかを把握できていないケースは、実は多いのではないでしょうか。保守委託費の見直しは、業者との交渉以上に院内のマネジメントの問題だと考えます。保守点検費用の交渉のポイントについて、詳しくは「こちら」でご確認ください。※本記事は、雑誌「病院経営羅針盤 (2022年4月1日号~2023年3月1日号)」に掲載されたものです。1on1オンライン相談会具体的なコスト削減施策や進め方を知りたい方は、1on1オンライン相談会でお伝えします。・どのように進めていけば良いのかわからない・他に削減可能なコストがないか知りたい・具体的な削減方法や取り組み事例が知りたいなど、お問合せや医業費用についてのお悩みをご相談ください。※上記フォームからお申込みください。(お申し込み後、コンサルタントより日程調整のご連絡をさせていただきます。)