清掃委託費の適正化清掃委託費は、清掃範囲と頻度、配置人員でほぼ決まります。まずは、この点に着目して交渉の作戦をきちんと立てることになります。単価の目安はありますが、何も条件を変えずに単価引き下げだけ提示するのではなく、3~5年に一度程度、全体を見直しになると考えます。①清掃頻度や清掃人数病院側で改善できることは、例えば以下のようなことがあります。平日も、(外来の少ない)土日も、同じ回数の清掃をしてもらっていた。会議室など、お掃除ロボットで構わないエリアまで、清掃委託していた。ゴミ箱を一つにすれば負担が軽くなるのに、たくさんのゴミ箱が設置されている。早朝だけ、短時間だけなど限定した勤務体制を敷いている。必要がないのに、リーダーを夕方までずっと配置させている。専門業者に委託しなくてもできることを、楽だからということで任せていないかといったことなどは、病院側のスタンスにも左右されます。また、自院で清掃スタッフを採用することが困難な契約の仕方は、委託会社にとっても採用が困難です。どのような委託であれば適正化が図れるか提案してもらうというスタンスで交渉すると、良い提案がされるかもしれません。②清掃委託費の範囲階別室別の清掃面積を確認するとともに、病棟、外来の日時のフロア清掃や特殊な機器を使用した定期清掃、状況に合わせて、実施する手術室やトイレ等の清掃もありますし、施設の内外だけでなく、外周や寮など多岐にわたることが少なくありません。植裁や院内美観を維持する業務を依頼する事例もあります。見直しのためには、院内での関係者の協力が不可欠です。清掃エリアについては、院内の状況を契約者が把握していないことが少なくありません。状況が変わったらきちんと報告してもらえるように、院内での周知は必要です。③清掃範囲清掃範囲については、院内の状況を契約担当者が把握していないことが少なくありません。状況が変わったらきちんと報告してもらえるように、院内での周知は必要です。契約と実際の清掃範囲が異なっていたということ以外に、例えば、下記のようなことが病院側が改善できることもあるはずです。清掃委託は、清掃担当者にかかっているといっても過言ではありません。病棟入退院のタイミングや看護部との連携、曜日ごとの動き、気持ちのよい声掛けなどは、契約書には掲載されていませんが、日々の現場にとって重要なポイントです。それは、担当者の力量や勤務年数・周りのスタッフの声掛けや関わり方によって、大きく変わるものです。良い人であれば、現場レベルで無理を言ったり逃したりしてしまうのは大きな損失ですので、満足な点はきちんと満足だと伝えることも忘れずに交渉したいものです。※本記事は、雑誌「病院経営羅針盤 (2022年4月1日号~2023年3月1日号)」に掲載されたものです。1on1オンライン相談会具体的なコスト削減施策や進め方を知りたい方は、1on1オンライン相談会でお伝えします。・どのように進めていけば良いのかわからない・他に削減可能なコストがないか知りたい・具体的な削減方法や取り組み事例が知りたいなど、お問合せや医業費用についてのお悩みをご相談ください。※上記フォームからお申込みください。(お申し込み後、コンサルタントより日程調整のご連絡をさせていただきます。)